仙石東北ライン ダイヤ正式発表
木曜日に発表された、5月30日に仙石線全線再開とともに運行開始する仙石東北ライン。
期待させといて、がっかりパターンだなぁと思っていたら、案の定。
自分が予想したパターンダイヤにはなっておらず、分かりにくいお得意のランダムダイヤ。
それに、特別快速の仙台石巻間52分が、記録用でほとんど使い物にならない時間帯というのは周知のとおりですが、朝ラッシュ時に、石巻から仙台までの運行がたった1本のみ。
それも、現在の石巻線・本線経由のノンストップ快速のスジを利用するので、ほとんど石巻駅からの利便性は変わらない(もちろん、矢本や蛇田などの途中駅利用者にとってはそれでも待ちに待った開通ですが)。
6時35分石巻駅発で7時35分に仙台駅着って早すぎる!
次の仙石東北ラインが石巻駅8時11分発って、当然通勤通学には使い物にならない。
全線仙石線経由(ややこしい)だと6時48分発というのがあるけど、あおば通駅に到着するのが8時20分!仙石東北ラインの陰に隠れて、仙石線経由はやけにスピードダウンしているような。
1時間半かけて30もの駅を各駅停車の仙石線あおば通行きを使うっていうのは苦行でしかない(座れれば良い睡眠時間になるけど)。
そうすると、6時35分発の快速に乗客は集中することに。実際震災後の人口移動で、石巻や東松島市から仙台方面への通勤通学客がどの程度まで落ち込んでいるかにもよりますが、途中駅からは座れるのか?
逆の仙台→石巻通勤は改善に
震災前は6時半頃仙台発の快速が7時40分頃着で早すぎ。6時40分頃の各停が8時10分頃着と、何とも微妙な時間帯でした。現在も直通快速は同じような感じなのですが、
6時26分仙台発で7時半石巻着(片道64分)
7時24分仙台発で8時18分石巻着(片道54分!)
と石巻駅付近の職場であれば、7時24分発でなんとか間に合うことになり、体感的に1時間近くは短縮になります。
対象になる人は少ないにせよ、こっちは劇的な開通効果が見込めます。
多賀城・本塩釜からは改悪
当初は全然仙石線経由の快速も残すとJRからのコメントもありましたが、結果的に快速は全部が仙石東北ライン経由となり、多賀城駅や本塩釜駅は全て各停になりました。
このこと自体は分かりやすさや、仙台駅近郊の利便性向上(快速の時間帯に通過駅で30分待ちが解消される)ので、歓迎でしたが、ただ、石巻方面との利便性の低下を最小限にするためには、高城町駅での仙石東北ライン⇔仙石線(本塩釜方面)との乗り換え時間が5分以内であればと思っていました。
やはり、JRがそんな乗客の利便性を考えるはずもなく、高城町で10分程度の待ち時間があたりまえという、配慮のないダイヤになっています。
それだったら、「文句があるんだったら、乗り換えのない石巻行各駅停車を使え」と言わんばかり。確かに各停がほとんど存在価値がなくなりそうなので、乗客の分散のためにはやむを得ないんですが。
確かに、(何の制約もなさそうな)岩切駅で利府方面との乗り継ぎ区間電車の待ち時間が10分程度というダイヤを組んでいるJR東日本からしたら、問題とも感じないのでしょう。
政令市とはいえ、(首都圏と比べると)競争がない地方都市に対する扱いと考えると、こんなものかと納得するしかなのですが。
夜間帯は
従来の仙石線快速と比べると、1時間毎で20時台までの運行というのは変わらないまでも、所要時間は5分程度の短縮にはなっています。
それをどう捉えるかです。
21時台以降は、30もの駅を1時間20~30分かけて帰るしかない。これも震災前と同じとはいえ、あまりにも改善感がない。
終電は22時50分あおば通発。石巻駅に到着が0時10分と相変わらずの拷問です
高速バスとの競合
震災後は、石巻と仙台間のメインの公共交通機関として大活躍だった宮交の三陸道経由の高速バス。最近は三陸道が大部分が片側2車線化され、渋滞に巻き込まれることも少なくなり、残るボトルネックの1車線区間が残る利府JCT-仙台港北ICもあと1年程度で4車線化が完成するので高速バスとしては競争力強化となり、本来大歓迎のはず。
しかし、仙石線全線開業&仙石東北ラインの開業で、特に通勤通学客が電車に戻ることが予想されるほか、そもそも現在のバス運転手不足の解消のため、あえてこの石巻行高速バスを大幅減便させ、運転手を他の路線に振り向けるという可能性も高いです。
この石巻への高速バス。東部道路の仙台東IC経由になり、大分改善されたとはいえ、ICから都心まで一般道で2~30分以上かかり、定時性が確保できないネックがあります。
よって、この情勢では、無理に真正面からJRに競争はしないと。
もちろん宮交が一部請け負っていたJR仙石線代行バスがなくなるため、運転手不足も多少解消されますが、JRとの共存関係が成り立っていた状況もあり、ここは1時間1本程度までは大幅に減便になるかと思っています。
何か、正直喜んで良いのかがわからないです。
複雑な気持ち
もちろん、東北線方面(岩切・塩釜方面)から石巻への直通の電車が走るということは大きいと思いますが、それも1日14本のみ。だったら、松島駅と高城町駅を接続線部分に統合させて、鹿島台・小牛田⇔塩釜・多賀城 の乗り換えも容易にしたりという方がよっぽど良かった。
と言いながらも、トータルとして多少は良くなる面もあるので、開通したら割引切符も出るようなので、乗ってみたいとは思います。
ちょっと感じたのは、仙石東北ラインとしては、松島~東松島の閑散駅(手樽~東名)をすべて通過する形にしたのは、将来的にこれらの駅に全て停まる仙石線各駅停車を減便させて、逆にこれらの駅を全て通過する仙石東北ラインを増発する形も考えられるのでは。
上記の閑散駅のうち、東名は野蒜北部の集団移転先となり、利用客は見込めますが、その他の駅は、ほとんど利用者もおらず、仙山線の西仙台ハイランド駅のように廃止したいのがやまやまながらも、利用客がわずかでもいるからには廃止はできない。でこれらの駅のために所要時間もかかる。
その代わりに仙石線のネックだった、これらの閑散駅対策として、「仙石東北ライン」の快速が運行されたのかとも思いました。
時間があればもう少し考察してみたいですが。。。
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