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2015年2月21日 (土)

新駅「石巻あゆみ野駅」南側の宅地開発計画

先日、JRと石巻市が、正式に新駅開設について合意し、来春開設が発表されたいわゆる蛇田新駅と言われていた「石巻あゆみ野」駅。北側は石巻市が進める集団移転地として、最大5000人規模の住宅地造成が進行していますが、南側の民有地でも、新駅開設に乗じた動きがあるようです。

石巻新駅南側で宅地開発計画

 石巻市青葉西地区で民間による大規模な宅地開発計画が持ち上がっている。予定地はJR仙石線に新設される「石巻あゆみ野駅」南側で、現状は市街化調整区域。地権者でつくる土地区画整理組合設立準備委員会は、区画整理事業が可能な市街化区域への編入を市に要望している。市は周辺の土地利用状況も考慮し、慎重に判断する姿勢だ。
 予定地は仙石線と国道45号に挟まれた農地など約11ヘクタール。一戸建て300戸程度を建築でき、事業費は概算で約25億円と見込んでいる。
 大部分を占める農地は東日本大震災の津波で被災。農家の高齢化が進み、現在は耕作されていない。一部の地権者が昨年5月、組合設立準備委を発足させ、他の地権者から事業への同意を集めている。
 現在、予定地には二つの仮設住宅団地もある。市によると、2月1日現在で51世帯が入居。市は地権者と2016年度までの土地貸借契約を交わしているため、事業着手は17年度以降となる見通し。
 付近は大型商業施設や医療機関、文教施設などが集積。仙石線は5月に全線復旧、新駅も来年3月に開業する予定で、周辺の開発熱は高まっている。
 準備委などは先日、市街化区域編入の要望書を市に提出。阿部国昭代表は「新駅が完成すると青葉西地区は石巻の玄関口になる。訪れた人たちをしっかり迎えられるようなまちづくりを進めたい」と話した。
 予定地の北側は、市が区画整理事業で防災集団移転用地として新市街地の形成を図っている。市は青葉西地区の市街化区域編入で、宅地の需給バランスが崩れる可能性もあるとみている。
 亀山紘市長は「新駅で利便性が上がるため、まちづくりをしたいという気持ちは理解できるが、用地の活用は慎重に検討したい」と語った(2/20河北)。

Map1_2

石巻市を中心とする都市計画区域は、都市計画法に基づく線引き都市計画区域として、市街化区域と市街化調整区域に分けられています。開発は原則として市街化区域で行うことが必要で、逆に市街化調整区域では、既存宅地等の例外を除き、市街化区域への編入が県の都市計画審議会等で認められないと、開発は行えません。

宮城県内では、こういった線引き都市計画区域は、仙台市を中心とする5市5町1村で構成される「仙塩広域都市計画区域」と、「石巻広域都市計画区域」のみ。都市計画法が1968年に改正され、線引きが一定の人口集積があり、乱開発を防ぐ趣旨で概ね10万都市以上が指定されてから、早50年近くたちますが、現時点では10万都市のみならず、30万都市クラスでも人口が減少に転じており、開発圧力を理由とした市街地拡大をコントロールする必要性が残っているのか、議論があります。

宮崎県都城市や、香川県高松市など、この線引きを廃止し調整区域でも比較的自由に開発が行えるようにした都市計画区域がありますが、この石巻でも、人口が震災前から減少しており、震災でとどめをさされるように激減した経緯があり、人口増の圧力というのはもはやない状況ではありますが、震災復興事業による、集団移転などで、新規の開発が必要になっていることもあり、従来の線引き制度により、必要なところは調整区域から市街化区域に編入の上、移転先の造成が機動的に進められています。

ただ、今回ニュースになった、「あゆみ野」新駅の南側は、民間の地権者が区画整理組合を設立し、宅地造成をしようという動き。

渡波周辺や、蛇田周辺が集団移転先として選定され、現在造成が進められているエリアの枠外です。

ただでさえ、集団移転先の造成地が、思ったより家を建て直す再建希望者が少なく、土地が大量に余るのではないかという懸念が生まれている状況。

石巻については、蛇田近辺は、イオンなどの郊外型商業施設の集積もあり、比較的人気は高いところですが、市全体として、仙台など他都市への人口流出が進み、戻ってくれることも当初よりは期待できない状況。

山元町や名取市での新市街地や再建区画整理事業でも、かなり問題になっているように、移転先造成の遅れから、他の場所に移転を決めてしまった方も多く、また高齢者は再建をあきらめ災害公営住宅に入るなど、当初計画した移転地が、各都市ともかなり余っている状況にあります。

個人的には、新駅の利用者の底上げにもなるし、将来的には無駄な開発にはならないかなとは思いますが、やはり、上記のような移転地が余っている状況から、市側の開発地にも良い影響を及ぼさないし、市街化区域への編入条件を満たすかは微妙。

そもそも今回のような請願駅は、設置費が原因者負担が原則であり、例えばあすと長町の太子堂駅は、2007年春に空港アクセス鉄道開業と同時に新設されましたが、区画整理事業を行うURと仙台市が10億以上の設置費を半分ずつ出し合った経緯が。

2004年に開業した同じ仙石線の小鶴新田駅も、確か新田東土地区画整理事業組合と仙台市が負担。

今回の「あゆみ野新駅」も、石巻市が集団移転地へのアクセスを良くすることや、仙石線の利用者の底上げも狙って、市の負担(実質国の交付金目当てですが)新設を行う経緯がありますが、本来であれば、今回記事になった駅南側の民間都市区画整理事業組合でも、新駅設置費用について、応分の負担があるべき。

市とのこれまでの話し合い内容は詳しくわかりませんが、新駅設置にただ乗りした動きにも感じます。

開発構想エリアは、津波浸水域で、農地としての再活用をあきらめたようですが、この開発は当然地権者にも利益となるので、新駅設置費用負担という義務を果たしたうえで権利を主張するのであればまだしも、これでは市も認めづらいでしょうね。

着手が2017年以降となると、実際供用開始は2020年頃。そのころにはさらなる人口減少で土地需要が減っており、沿線でも市の新蛇田の5000人規模の移転地だけでなく、東松島市の野蒜・東名新駅近辺での1000人規模の移転地もある。ちょっと悩ましい問題です。

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JR仙石線「石巻あゆみ野駅」来春開設(2/8)

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