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2014年11月 9日 (日)

代官山蔦屋書店へ

書店ネタが続きます。

平成28年春に、JR多賀城駅前再開発ビルに、多賀城市図書館と併設される蔦屋書店。TSUTAYAを運営するCCCが図書館の指定管理者になるうえ、蔦屋書店の運営も行うという、本好きにとっては非常に魅力的に映るプロジェクト。

まぁ、何でも反対する某政党はあいかわらず、選定の経緯にいちゃもんつけているようですが、少なくともこれまでのものより、良いものができるんだからいいじゃん。

多賀城の蔦屋書店は、フラッグシップ店舗である代官山蔦屋書店を運営するCCCが運営するので、新潟のトップカルチャーが運営するフランチャイズ店(蔦屋書店仙台泉店)とは多少趣が異なる。規模はそれほど大きなものにはなり得ないですが、駅前という立地条件からすると十分。近隣には学院大工学部もあり、学生の利用が多そうというのも好条件。

で、ずっと行きたいと思っていた、代官山蔦屋書店へ行ってきました!

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いやー、評判以上です。何というか、センスが違う。紀伊国屋とか「THE 書店」よりも書店らしいというか。

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図書館みたいに本に囲まれた空間ながらも、落ち着いたディスプレーも秀逸だし、建築系、アート系、料理・食系など、テーマ別にレイアウトされた空間に、食器なども含めたトータルコーディネートで様々な提案をしてくれます。

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これは、泉大沢の仙台泉店でも食生活の提案コーナーとしては広めに確保していながらも、比較的独立した空間で、周囲と浮いている感があったのに対し(客層もあるのかも)、代官山のは書棚の近くにさりげなく展開しており、違和感がなく、そのコーディネートがさすがと唸らせられました。

旅行雑誌・書籍コーナーの近くに、プランの相談に乗ってくれるコンシェルジュがいるなど、生活全般の提案ということで、単なる本屋ではないというのが売り。すげぇ。

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店内の一角では、音楽をテーマにしたミニ解説会みたいなものも行われ、写真のとおり大盛況。参加者同士のリアルSNS的なつながりも生み出すことも目的だとか。

子供向けの絵本コーナーの一角でも、似たようなトークショーをやっており。中身は確認しませんでしたが、こっちも大盛況。

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ゆったりした敷地内には、ガラス張りの外観の2階建ての建物が3棟横に並ぶ形で、2階レベルでデッキが相互に接続しています。

雰囲気も含め、詳しくはWEBSITEをご覧ください。

スタバが入っていて店内の本を読みながらコーヒーが飲めるというのは、泉の蔦屋書店(タリーズ)でも、東仙台フォレオのヤマト屋書店(スタバ)のように、仙台でもありますが。

仮に本を買ってもらえなくとも、コーヒーを飲んでもらい、入場料替わりとして収益を上げるというビジネスモデルだとか。また店内のどこにコーヒーを持ち込んでも良いから、カフェとしての席数の制約を無くすという考え方にも感心。ただ、本を汚されたりというリスクはどう考えてるのかな。

そのほか、本に囲まれた軽食を提供する落ち着いたラウンジ(Anjin)もあり。ただ、コーヒー、ビールが800円から、軽食で1000~2000円とか結構値が張る価格帯。でもこの雰囲気を一度味わってみたいと思わせる空間。まぁ、東京だから成り立つ空間なのかなとも。

Anjin

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新幹線までの時間つぶしで1時間ちょっと滞在したのですが、ほろ酔いだったのもあり、その空間にどっぷり浸かって心底幸せな時間を過ごしました。

代官山自体には初めて行ったけど、路面店としてブランドショップやレストランが並んでいて、どの店もさりげないライトアップでアピールしていて上手でセンスの良さを感じられるという、自分がコメントするのがおこがましい位の雰囲気の良い街でした。というか、こういう狭い路地に特徴的な店が並んでいるというのは仙台でも広瀬通駅とクリスロードの間とか似たような場所はあるけど、規模も雰囲気も違う。東京にはこういう場所が至る所にあるというのが面白い、というか羨ましい。

蔦屋書店の3棟の建物の他、「DAIKANYAMA T-SITE」の「GARDEN」として、オープンデッキのレストラン・バー、自転車店、写真店、ボーネルンドのお店など、その敷地全体で魅力あるコンテンツを提供している感じ。

近くにこんな素晴らしい書店があったらしょっちゅう入り浸りそう。

仙台でも蔦屋書店として、トップカルチャーがあと2店ほど展開という話はどうなったのでしょうか。

多賀城への展開。。。

郊外型の仙台泉店と違い駅前型であり、代官山とは別物の立地条件ながらも、コンセプトはある程度移植できる。

仙台からも電車で20分ほどで片道240円なので、特に仙石線沿線住民にとっては行きやすいかと。駅前だけに駐車場が少ないのがやむを得ないとはいえこの土地柄どうかな。また駐車場も時間制限になるだろうし、時間消費型の施設としては難しいところ。

ただ、人口密度、住人層、生活時間帯の違いとか(代官山蔦屋は26時まで営業)を超えて、どのようにアレンジしようとしているのかが興味深い。代官山のは一般的な雑誌や新書的なものはあまり目立たなく、デザインや旅行、などのコンセプトがはっきりしている分野の本を推していたけど、多賀城というか宮城では尖った構成にはしづらい。会社は違うけど仙台泉店の縮小版的な感じというのが無難かと。

また、図書館との隣接というか共通での管理運営という点が、書店側の収益という面でどうなのかという心配も。これは、佐賀県の武雄市での先行事例が参考になるのかな。

参考記事

蔦屋書店仙台泉店へ(H26/3/23)

仙台駅2階暫定コンコース供用開始&多賀城駅新駅舎(H26/8/28)

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コメント

代官山の蔦屋書店は、「ラテを飲みながら読書すること」にある種のステータスを生み出し、
他と上手く差別化を図れているように感じました。
都心は大型書店が数多くあり、アマゾンでも何でも購入できてしまいますが、付加価値をつけることで書店に向かうきっかけつくりになっていると思います。
「本を買いに行く」というより、「お洒落な自分に浸りに行く」という印象。

勿論、ラインナップを洗練させたりコンシェルジュなどのサービスも人気の要素だと思うのですが、何となく客全体が持っているお洒落自意識みたいなものから上記のような捻くれた発想に至っています。笑

あと思ったのは、照明のセンスからしてフランチャイズとは違いますね。
その点cccの運営になる多賀城は箱として期待しています。

投稿: ゆう | 2014年11月 9日 (日) 02時10分

>>ゆうさん
こちらでもコメントありがとうございます。
代官山蔦谷書店に行かれたことがあるんですね。今更ながらの恥ずかしいレポで済みません。考察は他店との差別化という意味で、なるほどです。敷地内のレストランや趣味のお店とのコラボというところも、感度が高い方々を呼び込んでいる理由なのかな。照明のセンスの良さというのはありますね。トップカルチャーの仙台泉店はその点照明は普通の書店ですし。

これが、多賀城でどう展開するかというところですが、調べたらCCC直営ですでに函館にもオープンしているんですね。
北海道の函館郊外という、土地に余裕のある場所かつ気候の厳しさから大きなハコで屋内にすべてを入れ込む構成にしてますが、コンセプトは代官山のをうまく移植しています。
都市郊外での展開。また「東京以外の地方都市」というくくりで住民層という点では多賀城と大きく違わないでしょうから、どんな感じになるのかがある程度予想できるかなと思います。

投稿: S-Watcher! | 2014年11月 9日 (日) 21時54分

武雄の図書館ですが
たとえば、こんなはなしがきこえてきます。
①国内で武雄でしか所蔵していなかった資料ことごとく廃棄したとか
(国立国会図書館でも所蔵していなかった貴重資料)
②改装費で普通の図書館が建てられてしまう金額だったとか
③消防法にひっかかり、使えない部分がでたとか
④日本十進分類法ではなくTUTAYA独自の販売のための
分類を使っているため、図書館での書籍検索が非常にわからりづらい。
⑤図書の常日頃の整理ができず、曝書期間もないため、めちゃくちゃに
なっているとか。
⑥図書館の職員にしらべたいもの言えば、誘導してくれるが
そのような機能が喪失しているとか
⑦雑誌がことごとく図書館から消えたとか

様々問題が起きているとのこと。国内でも仙台及び周辺自治体の図書館の
レベルが高く、利用者が求める水準も非常に高いので有名ですが
耐えられるか疑問です。

投稿: | 2014年11月24日 (月) 09時46分

コメントが遅くなりました。

武雄の図書館部分にはいろいろ問題があるんですね。
まぁ、当然そういう話は多賀城市も把握しているでしょうし、
改善が図られるといいですね。

メリットデメリットありますが、従来型の図書館では提供できないサービスで、
、周辺の既存図書館との差別化が図られることについては評価しても良いと個人的には思います。
従来型の図書館を好む方は、仙石線沿線だと北に塩釜市図書館、西に宮城野区図書館があるので、そちらを使えば良いのではないでしょうか。
同じような図書館だけではつまらない。仙台市図書館も、若林に東京の指定管理者が入るとか。区ごとの図書館で切磋琢磨で運営の工夫が生まれることを期待しています。

投稿: S-Watcher! | 2014年11月29日 (土) 14時30分

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