常磐道 仙台―浪江まで12月開通
年度内と言われていた浪江までの開通が、多少前倒しになり12月6日に開通します。
先日国道6号線が全線開通したというニュースに続いて、大動脈の開通発表です。
常磐道 浪江-山元間12月6日開通
安倍晋三首相は17日、福島第1原発事故からの復興に向け、常磐自動車道のうち未開通区間の相馬-山元インターチェンジ(IC)間(23.3キロ)と浪江-南相馬IC間(18.4キロ)を12月6日に通行可能とする方針を明らかにした。これにより仙台市と福島県浪江町が高速道で結ばれる。常磐富岡-浪江IC間は2015年春までに完成させ、大型連休前に同自動車道を全面開通させる。
視察先の福島県広野町で記者団の質問に答えた。首相は「復興のスピードアップに役立てたい」と述べた。(以下略 9/18河北)
常磐道の全線開通は、予定通り来年のGW前になるとのことですが、浪江以北が年内に間に合うとはちょっとびっくり。全通についても、紆余曲折あり、完成してもその役割が十分に果たせるか微妙な状況でちょっと複雑な気分。開通の意味合いが、仙台―東京のダブルネットワークの確保から、原発事故からの地域の復興に変わってしまいました。
そうは言っても、仙台の街中から、相馬までが約1時間程度、南相馬までも1時間20分程度になります(法定速度を前提とすると)。それでも常磐線の所要時間と同じくらいですが、その常磐線が全線再開まで2年半もかかるので、高速バスにとっては利用客獲得のチャンスです。
国道6号も、震災前は散々通ったなじみの道なので、通ってみたい気もしながらも、やはり気が引ける。せめて、高速道路としての開通後であれば、首都圏方面への短絡路にはなれど、基本的には片側1車線の暫定開通区間が大部分だし、東北道に比べての時間短縮効果は限られる。いわきや水戸に行く場合はある程度は時間もガソリン消費も短縮効果があれども、一般の利用者にとっては相変わらず郡山JCT経由が多いだろうな。
ただし、予想されるのは、仮に東北道から郡山JCT経由であっても、常磐道相馬経由との経路の区別が不可能なので、仙台からいわき以南へ行く際には、どちらの経路を通っても高速道路料金が安くなるというメリットはあり。
一般の利用者は、通る被ばくのリスクと時間短縮のメリットを天秤にかけて各自判断すれば良い話だし、特に地元の相馬、南相馬、いわきの住民および、双葉郡からの避難者にとってはうれしい話です。
ただ、おそらく悩ましいと思っているのは、高速バスの事業者でしょう。
高速バス動向
上述の通り、相馬や南相馬から仙台までの高速バスは現在の福島交通、宮交、東北アクセスが運行しています。これらはこれまでは仙台側の長町ICから山元ICまで高速道で、そこからは6号線を南下していたので、路線によっては山元町や新地などからの仙台への直通の足として活用されていましたが、南相馬までの開通により、途中の町に寄らずに高速道路を目的地(相馬or南相馬)まで運行すべきか、悩ましいところでしょうね。
山元町や新地町も常磐線の再開が遅れ、JRの代行バスの他、上述の高速バス(山元町は東北アクセスのみ、新地は福島交通と東北アクセス)が経由していたので、一応仙台までの直通交通機関が確保されていましたが、相馬や南相馬からの速達性を考えると、どのような方針にしてくるか。
参考リンク
もっと悩ましいのは、仙台からいわきや水戸への高速バス路線。
全通が図られる高速道や国道という道路とは異なり、常磐線の鉄路全通再開はかなり厳しいと言われている中、仙台からいわきへの公共交通機関は、高速バス頼りの面がありますが、現在は当然郡山JCT経由。
それが、常磐道が全通しても乗客の動向が読めず、簡単に常磐道経由には移行できないでしょうから。
バス会社にとっては、常磐道経由だと冬場の雪リスクもなく、当然距離も短いから移行したいのはやまやまでも、乗務員にとっては複雑な気持ちでしょうし、乗客もどちらを好むかはわからない。飛行機と比べたら少ない被ばく量とはいえ。。。
過去記事
大震災前の記事もあり、状況は大分変わっていますが。
常磐道の整備を!(H17/2/16)
常磐道は有料道路方式(H18/2/11)
三陸道4車線化進む その他補足(H26/1/6)
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コメント
労働組合がどう動くかでしょうね。
私としてはこういうのには慎重に対応してもらいたいです。
投稿: Piichan | 2014年10月 1日 (水) 12時20分