八木山の将来 その3(頑張っている商店街)
みたび、八木山特集。
高齢化が進んだ、古い住宅造成地の集合体である八木山。大規模な造成技術がない時代や、旧法に基づく昭和30年代からの造成地が広がり、地形の急峻さや、道路の未整備により、ある意味島みたいな一体でありましたが、第1回目のとおり、道路整備が地下鉄開業のタイミングを目標に進んでおり、徐々に変わりつつある八木山です。
そういった、外とのアクセスが良くないこと、高齢化が進んでいること、地形が急峻で自転車が機能しない(特に青山セブンからの心臓破りの坂は、クルマで通っても悲鳴を上げそうな位)ことから、バス通りを中心に、小規模な商店街が残っています。
前回で多少言及した、八木山香澄町~八木山神社前商店街と、緑ヶ丘のバス通りの商店街が、今でも残っているところです。
香澄町は
緑ヶ丘は
共通するのは、
1)尾根部分に狭いながらも幹線道路が通っていること。幹線道路の脇の谷部分に住宅が張り付いていること。
2)バス通りであること。特に香澄町は本数が多い。
3)これは偶然でしょうが、サンマリ(スーパー)とツルハ(ドラッグストア)が揃っていること。
1)ですが、八木山の古くからの造成地は、地形が急峻で、特に車に乗れない高齢者は、自転車で遠出もしづらく、近くでの買い物需要が高いと感じています。
なので、自宅付近からちょっと上がったところの商店街で最低限の買い物を済ませることができるのは便利な面があり、個人商店を中心に最盛期と比べたらかなり衰退していながらも、現在まで商店街機能が残っている面があるのでしょう。
車を運転できる世代にとっても、香澄町や緑ヶ丘から286西多賀・鈎取のロードサイドショップや、長町南のモールへは道路が整備されておらず、行きづらいという面もあり。
2)ですが、バス通りの利点として、バス停があるのは当然ですが、乗っている時に車窓から店の存在を認知できることが大きいです。また、この辺のバス通りは道幅が狭いため、道の向こう側にわたるのも簡単だし、商店街の一体感が高いこともあります。
それは、市内でも例えば荒町、宮町、南光台四条通、西多賀(旧286号)などは、バスが比較的頻繁に通る片側1車線の狭い幹線道路で、衰退しながらも商店街機能がある程度生きているのと共通しています。
一方、長町商店街は、かつては一体がかなりの賑わいでしたが、モールの影響は当然ありさらに震災でのダメージが大きかったのは事実ですが、それ以前に市電の廃止と地下鉄への移行により、長町駅と長町一丁目駅の点を中心として商店が残り、両駅から多少離れた中間部(サンカトゥール商店街)の商店街の活気がなくなってしまっていたというのは事実です。
また、片側2車線の幹線道路であり、向こう側にわたるにもなかなか変わらない押しボタン信号経由しかなく渡り辛いということもあり、商店街のヒューマンスケールさが感じられないというデメリットも感じています。
3)については、スーパーとドラッグストアの組み合わせにより、ある意味身の回りの大部分の買い物が済むというのは、郊外型スーパーのテナントミックスを見ても分かります。この2つの業態があるからこそ、個人商店を加えて辛うじてこれらの商店街が生き残っているということも感じます。
また、郵便局、クリニック、コンビニなども沿道に点在し、意外と利便性は高いです。
こういった一時代前のよきところが残っており、八木山の魅力でもあります。
一方、上記の商店街が残る2つのエリアと異なり、八木山本町や八木山南の区画整理で整然と整備されたエリアには、かつてはあった商店街機能はほぼ残っておりません。
八木山小学校上の八木山本町では、生協も坂の下に移転し、すっかり寂しい一角になっています。八木山南は日赤病院の先にセブンイレブンとダルマ薬局、洋菓子のルグレン、77銀行などが片側2車線の川内旗立線の両側にありますが、やはり商店街という感じではありません。スーパー的なものは辛うじてAコープだけ。
この一見整備された区画整理地については、開発時期が昭和40年代で八木山の中では遅めの開発時期であること、都市計画道路が整備されていることでヒューマンスケールな商店街が形成されなかったこと、286号鈎取・西多賀エリアなどへのアクセスが八木山の中では良好なことで、”近所”で買い物をする動機が弱く、クルマに乗ってロードサイドへという流れが強くなっているように感じました。
一方、第1回目で取り上げたように、この八木山にも都市計画道路の工事が着々と進んでおり、エリア外への自動車アクセスが格段に良くなります。特に、緑ヶ丘は、南側の恵和町や大塒町に接する位置に長町八木山線が全通すると、長町モール方面へのアクセスが格段に良くなり、便利になる反面、商店街機能のさらなる衰退につながるのではと感じます。
便利になることで、八木山に新しい血が入り、活性化して欲しいと思う反面、ストロー現象が起きてしまうというのも複雑。八木山エリアに開通する都市計画道路沿いに大手資本の郊外店開発というのも、沿道に土地はないし、そもそも都市計画道路としても行き止まり状態であることは変わらないわけで、出店の魅力は薄いエリア。なので、商業的には286号線沿線や長町エリアへの依存度がますます高まることになりそうです。
地下鉄の開業を2年半後に控え、新しい住民を呼び込むには、取り上げたような商店街には頑張って欲しいとともに、動物公園駅近辺ではスーパーなどの郊外店が多少でも増えて欲しいところですが、現時点では動きは見えません。八木山にとっては激動の数年間になると思うので、動きを期待して見守っていこうと思っています。
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