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2013年3月10日 (日)

災害公営住宅整備について(2)

前回の続きですが、仙台市では現在整備中のもの以外でも、市が直接整備することのマンパワーの限界もあるので、買い取りの手法も用いて提案受け付けにて、買い取りで整備しようとしています。

 

買取災害公営住宅事業者を公募/1月18日から提案受付/仙台市

 仙台市は、買取方式による災害公営住宅整備事業者選定の公募型プロポーザルを公告した。提案書は2013年1月18日から2月15日まで都市整備局市営住宅課で受け付ける。3月中旬に事業候補者を選定、同月下旬に協定を締結し、事業に着手する。建物の引き渡し期限は15年3月末としている。
 (途中略)
 基本条件は、土地面積が1000㎡以上、建物戸数は30戸以上。間取りは2K(専有面積約35㎡)と3K(同約50㎡)、4K(同65㎡)がそれぞれ全体の3割、4DK(同75㎡)は1割とする。買取価格は市公有財産価格審議会の答申をもとに設定するが、1戸当たりの上限価格は建物が1600万円、土地を含む場合は2300万円に設定している。
 このほか、付帯施設として集会施設(1戸当たり1㎡で算出)、駐車スペース、自転車置き場が必要となる。事業範囲は、用地の確保・造成と建物の設計施工、市への譲渡など。
 募集地域と戸数は、地下鉄南北線北部(泉中央~台原駅)が100-200戸。JR線東部1(東照宮~陸前原ノ町駅)は200-480戸、同2(陸前高砂~福田町駅)は120-240戸。地下鉄東西線東部(荒井~薬師堂駅)は260-660戸。南北線南部(河原町~富沢駅)は190-390戸となる(建設通信新聞24/12/21引用)。

このエリアも、地下鉄南北線、東西線、仙石線沿線という、仙台では便利な鉄道路線沿いであり、特に地下鉄沿線の未利用地の活用の掘り起しと地下鉄利用者の増加につなげようという考え方です。

 

 条件は、土地含みで2300万円/戸 と、最近の建築価格の上昇を踏まえると余裕のある条件ではないですが、面積の狭い少人数向けの世帯用も含めての一戸当たり平均額なので、非現実的な条件ではない。

 

この提案を利用して、市内一の規模の仮設住宅のあすと長町仮設の住民が、コミュニティを崩さずに現在地に復興公営住宅を!という運動をしており、仮設住宅の駐車場部分への建設を計画しているようです。

 当初は「市内の被災地から遠い」とか「不便」(なぜ??)とかで、全く人気がなかったこの仮設住宅が、募集要件の緩和や市外や福島からの被災者の受け入れで、今では市内随一の人気仮設住宅になっており、そりゃヨークもやまやも駅もすぐ近くだし、被災者じゃなくとも注目の住宅地となっていますしね。「せっかく出来上がったコミュニティを崩すな」との理念で、建設会社も巻き込んで災害公営住宅の買い取り提案を行うとの情報は聞いていました。現時点で実際にその提案があったかどうかは分かりませんが。

(3/10夜 追記) 今朝の河北で、この取り組みの記事がありました。 仮設戸数の半分強の戸数108戸で計画提案とのこと。 今月中旬までには採否が決まるとのことです。 気になるのは、採択された場合、この仮設以外の人も申し込みできるんでしょうか? というか、公平性から制限は出来ないでしょうね。便利な場所だから、申し込みが殺到するだろうし。

 

 ただ、あの仮設住宅の土地は、旧鉄建公団(国鉄清算事業本部)の貸付地で、あすと長町ではもはや貴重な2ha弱の大規模地。その土地が細切れに活用されるのは好ましくないし、そもそも清算事業本部もそんな条件では売らないだろうとは思います。そこは競争入札前提だし、そもそも、2300万/戸 以下という条件を満たせるのでしょうか。

 現仮設住宅の土地にこだわらずとも、あすと外の近隣の土地を確保してということであれば、実現性はあるだろうと。あすとでなくとも近隣の郡山市営住宅の建て替えにくっつけてとか、当初の計画に固執することなく、やりようはいくらでもある。目的が単に「便利なあすと内に安く住みたい」ということではなく、「せっかくできあがったコミュニティの維持」ということであれば、妥協するところは妥協して、頑張って欲しいとは思います。

 

 なお、旧鉄建公団は、組織の成り立ちや使命からするとさっさと土地を売却したいところ(もはや残っているのはあの土地のみ)をただ同然で貸しているんでしょうし、その上でバラ売りや安売りはできないだろうな。

 金曜日頃のニュースで、気仙沼の東新城の仮設住宅敷地が地権者から返還要請があり、退去が決まったとのことでしたが、仮設住民の一人が「地権者に交渉して延長を」と言っていたようですが、気仙沼市も交渉してきた結果だと思いますし、地権者としても善意の無償で貸していた土地に居すわられるようなことになり、他の場所で無償で提供してもらっていた土地でも、「さっさと返せ」という動きが広まってしまう。延長分は有償でということになれば、他の数多くの民間地権者からの無償借受地にも波及するし。

 震災後のお互い協力し合うという考え方により、提供した地権者は善意で無償で貸し、そのおかげで仮設住宅が早く建ったところも多いのだし、入居者の方もこの時期に移動するのは辛いだろうけど、止むを得ないことだと思います。あくまでも”災害後に応急的に入居する住宅」だし、他に空き住宅があれば移動することはありかと。被災者もそれ以外の方もお互いの相手の気持ちを思いやれればいいですね。

 2年経つけど、被災地でこそそのような考え方がないと、風化云々を批判できないかなと。自分の戒めの意味でも。

 

 

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