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2013年2月23日 (土)

東北学院大の都心回帰 他

 言わずと知れた東北の私大の雄。全国的には知名度は東北大に劣るが、地元仙台ではOBの存在感は東北大よりも高いし、知り合いや同僚を見てもバランス感覚が良い人ばかり。地味にすげー大学だと個人的には思っていますが、この学院大、街中の土樋キャンパスに本部と3,4年次のキャンパスを置き、泉キャンパスは1,2年向け中心、多賀城キャンパスには工学部全学年と、全国的にみられる大学の郊外立地の流れにのり、多賀城に工学部を設置して早50年、泉への教養部の移転からは25年経ちますが、近年東京の私大に見られるような都心回帰をめざし、土樋キャンパスに隣接する東北大の片平キャンパス南側の土地5.4haを購入し、両郊外キャンパスからの全学部の集約を目指していました。

 

 東北大は、その移転用地として期待されていた都心部の片平キャンパスを縮小し、地下鉄が通るとはいえ山の中の青葉山キャンパス隣接のゴルフ場跡地に進められている新キャンパスへの移転の方針でしたが、東日本大震災でキャンパス内の建物に大きな被害を受けた他、売却を予定していた片平キャンパスの土地価格の下落もあり、新キャンパスへの全面移転費用を工面できず、学院大が東北大から購入できるのは約0.8haと予定の1/7程度の面積となりました。

  この面積では、郊外キャンパスを全面移転できないと、五橋駅前の現市立病院移転後の跡地1.8haの取得をこの東北学院が目指しているというニュースが最近流れてきています。

 

 本来であれば、現土樋キャンパスと一体化できる隣接地への集約が理想でしたが、市立病院移転跡地は、現土樋キャンパスの最寄駅ではあり、人の流れからすると、次善の策であることはうなずけます。大学キャンパスとして使用されるということは、かえってあそこの土地利用及び周辺への波及効果としては悪くないのかもしれない。10階程度の高層化によりそれなりに学生も収容できる。学生の生み出すパワーは馬鹿に出来ない。跡地に分かりやすいオフィスやマンションの超高層をやみくもに求める方にとっては反対だろうけど。最初は意外感があったけど、良く考えると賛成かな。

 

 それにしても、学院は経営が安定しているというか、東北大片平キャンパス跡地南側の新キャンパス整備に100億円をかける上に、市立病院跡地を購入できるほどの財力を持っているということなんですね。実際に仙台市が学院に随契で売るか競争入札にするかはまだ未定のようですが。

 ふと思うのは、購入希望の市立病院跡地は1.8haですが、学院中高跡地で森トラストに売却し現トラストタワーになっている土地は1.6haで、わざわざ同規模の土地を買い戻すようなことに。分かっていたら、中高跡地を大学キャンパス用地にしたかもしれない。

 学院が中高跡地を安価で売却したことで、東北一の高さを誇るトラストタワーと仙台初の外資系高級ホテルの立地が実現したのは事実なので、それは良いことですが、学院が振り回されていて気の毒な面も。

 

 

 

 

 大学キャンパスの都心回帰

 未だに都心から郊外への移転を進めているところもある国立大(例、九大、東北大等)に対し、私大は経営上の戦略から都心回帰が急激に進んでいます。

 東京や大阪で過去に存在した大学や工場の都心立地規制緩和により私大の都心回帰の例としては、青山学院大が厚木の森の里という本厚木駅からも離れた山の中キャンパスから撤退し、相模原の市街地への移転を行ったのが先駆け(相模原は都心ではないですが、厚木からすると大分都心寄り)。さらに青学は相模原キャンパスから青山キャンパスへの一部移転も進めています。明治大のリバティタワーによる駿河台キャンパスへの集約、郊外移転の先駆けとも言われた中大の八王子キャンパスも都心への移転が構想されているなど、これは東京での例ですが、関西や名古屋圏でもこの動きは止まらないようです。

 

 これも、首都圏・関西圏の工場等制限法が撤廃されたことが契機ですが、少子化による18歳人口の激減対策として、より親元から通いやすく、アルバイトの機会が多い都心部付近のアクセス至便なキャンパスに立地させることが、受験生や学生確保に必須となりつつあることが理由。

 

仙台では

 

 都心回帰というキーワードに当てはまるのは今回の学院大が最初ですが、学院大に次いで仙台では存在感を示している私大である福祉大は、比較的都心近くにキャンパスがありながら、バス中心のアクセスでしたが、平成19年に北山キャンパス近くにJR仙山線の請願駅である「東北福祉大駅」を10億円かけて作り、ステーションキャンパス仙台駅から15分の駅近くという売りを作り、宮城県内や山形市の自宅生にとっては通学しやすくなっています。移転はせずとも、鉄道駅の設置で通学面での優位を作り出しました。全国的には何十年も前からありましたが、大学名が入った駅名は仙台では初で、アピール面の効果は絶大のようです。 なお、同じ仙山線沿線では、国見駅直近の某新設大学もあります。

 

 また、東北大もこれまでアクセスの良くなかった川内、青葉山キャンパスが3年後の東西線の開通で仙台駅から10分圏となり、片平や雨宮キャンパスから移転する青葉山新キャンパスも都心から遠くなるにしても東西線青葉山駅からほど近い立地で、分かりやすい立地となります(同じ旧帝大の郊外移転でも気の毒なほどの郊外に移転する九大とは違う)。

 

 一方、学院大は多賀城キャンパスはともかく(多賀城駅に近いし、工学部全学年が集まっているから、ここは残しても)、泉キャンパスの存在はやはりガン。教育面も、サークル活動にしても、4年生までが同じキャンパスにあるメリットは大きいのに、1,2年生があんな不便な場所に隔離され、泉区を中心とする市内や黒川郡出身者にとってははいいけど、それ以外の場所からの通学は至極不便だし、学生集めにも障害になっていたのはうなずけます。

 現在進められている土樋周辺への集約の流れは、学院大の競争力強化にかなり貢献すると思っています。勿論自宅生が増えることで、特に泉キャンパス周辺(歩坂町などの)アパートには致命的なダメージはありながらもこれは反射的利益で保護すべきものではないし、これまでで投資は回収できたでしょ。、大学生にはある程度の刺激は必要だし、アルバイトや遊びなどを考えると、都心回帰は英断だとは思います。

 

 泉キャンパスは、部活動などスポーツ関係の拠点として利用するのでしょう。礼拝堂とか立派な建物もあるので、校舎の建物も含めもったいない気もしますが。

片平キャンパス

 本来であれば、仙台が学都と呼ばれるのは、東北大の片平キャンパスと学院の土樋キャンパスへの学生の集積があったからこそ、一番町付近での学生文化もそれなりに生まれていたのだと聞きました。片方の片平キャンパスが、本部や歴史的な建物はありながらも、学部生はほとんど寄り付かない場所になっているのはもったいない。東大の本郷キャンパスとまではいかなくとも、せっかく片平の売却が厳しくなったのを逆手に取り、片平キャンパスのシンボル性の強化のための整備も行って欲しいと思います。東北大は青葉山移転のために片平再整備の余裕はそんなにないかもしれないが。

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コメント

初めまして、今は青葉区東部郊外に在住しているhtsと申します。以後よろしくお願いします。

>泉キャンパスの存在はやはりガン
以前泉区に住んでいたものとしては痛いところではあるんですけど確かにそうですね。というより仙台市の5区の中でも泉区は公共交通網の貧弱さでは定評がありますからねえ…。ちなみに一番充実しているのはいうまでもなく宮城野区。
(太白区も鉄道に限定するとよくないがここは西道路が鉄道の代わりを果たしている。後アクセス最悪と烙印をおされていた若林区は東西線の開業で格段によくなる。)

ちなみに泉区民はともかく黒川郡民にとっては富谷以外にとっては不便なのでは?
泉キャンパスに関して言うと余裕があるならばその土地を使って付属小学校の新設という手もありそうですけどないならば貴方のいう方法がベターでしょうね。
後は榴ヶ岡高校を移転できるのならば売却して商業施設かなあ…。かつて山の寺にあった生協が明石台に移転して以来山の寺地区はスーパー空白地帯になってしまいましたから。

投稿: hts | 2014年7月30日 (水) 01時02分

>>htsさん
泉キャンパスは比較的新しくてもったいないのですが、
大学運営からすると、もはや郊外に分散したキャンパスというのは、
学生集めの観点から扱いに困る存在になっています。

泉区内からだと自転車でなんとか通えるエリアも多いですが、黒川郡からは確かに遠いかも。それでも仙南や多賀城・塩釜・県北方面からも1~2時間かけて通っている方も多いから、まだましという意味です。

学院大も医学部構想から撤退し、都心へのキャンパス統合に集中できる状況になりました。跡地活用は難しいですが、学院榴ヶ岡高はそのまま続けるのではないでしょうか。
山の寺は商業施設がないとのことですが、市名坂など近隣に多くの商業施設があるので、商圏的には厳しいでしょうね。

投稿: S-Watcher! | 2014年8月 5日 (火) 20時54分

東北学院大学には、医学部・歯学部・看護学部・薬学部なども設置していただいて、真の総合大学になってほしい。財源については、借入金・寄付金・在校生の授業料を少し上げるなどの措置で可能と思われる。その結果として、知名度も難易度も上がると思う。

総合3病院の合併問題で仙台地区は揺れているが、このうちの一つの大学と合併交渉したらどうだろう。

早稲田大学も医学部設置に積極的と聞いている。昔は慶応大学と早稲田大学は偏差値で甲乙つけたいくらい伯仲していた。それが現在は、私学ナンバー1となった慶応大学、完全に慶応大学の後塵を拝している早稲田大学の差は医療系学部が設置されているかどうかだと思う。

この医薬系学部の設置であれば学院OBも喜んで寄付するだろう。泉校舎は、はっきり言って失敗だったと思う。売却も考えていいと思います。 母校を愛するOBより

投稿: | 2020年12月 6日 (日) 05時54分

母校を愛するOBさん

コメントありがとうございます。
仙台No.1私大である学院大の地位は揺るがないでしょうし,
さらなる学部開設して東北の高校生の進学選択肢を広げることができれば良いですね。
なお,学院大の医学部設置の話は,医大新設の大騒ぎの際に,厚生病院と組むスキームが浮上しましたが,
あれが実現していれば。。。
泉キャンパスは,あの時代であればしょうがなかったのでしょうが,
今の時代ではアクセスの悪さで学生獲得にマイナスしかないのが。
五橋キャンパスに移転後は,運動部で使うにしても移動が不便ですし,
お荷物になってしまうところが,一時期一世を風靡した泉のニュータウンと被ります。

投稿: SENDAI Watcher! | 2020年12月 8日 (火) 21時37分

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