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2012年12月25日 (火)

あすと長町にイオンタウン進出

昼間に聞いたニュースの続報を。

12/8の記事で公募については取り上げていましたが、

あすと長町の長町駅前で最後の大規模保留地が落札され、土地利用が決まりました。

あすと長町の12街区、17街区の公募でイオンタウンと住友不動産が50億500万円で落札したとのこと。

正確には、12街区の約1.5haの方をイオンタウンが31億弱、

17街区の約1.2haの方を、イオンタウンと住友不動産が19億強で落札。

6月に行われた旧清算事業団の所有地処分では、ほぼ公募最低価格での落札でしたが、今回は38億の最低価格に対して50億強の落札ですから、イケア効果と残り少ない大規模画地というのもあったのでしょう。それでも開発当初に想定されていた単価からすると、かなり安いような。商業地域で600%の容積率なのに、坪70万円弱というのは。それでもヤマザワが買った13街区の土地は坪40万円程度なので、それよりはかなりましです。

 

 そうはいっても、応札者は2者のみとのことで、ライバルはいたようですが、このあすと長町がおかれている状況を表しているということか。結局は郊外型商業施設の集積する街になってしまっているので、高い土地代をかけて容積率を目いっぱい活用した事業を行うには立地条件が微妙で採算性が見込めないというのが悲しいところ。

 でも、これでめぼしい土地は全て活用の方向性が決まり、徐々に希少価値が高まるでしょう。たたき売りみたいに売られた長町駅前の大規模地も、イケアやイオンなどの立地による集客力の高まりで、将来性のある土地に化けることが見込める。

 

間に40m道路

過去記事でも指摘していましたが、今回抱き合わせ販売された2画地の間には、長町八木山線の幅40m道路が位置しています。よって、一体的な活用は絶望的。

北側の12街区は、600%の容積率なので、最大に活用すれば9万平米の床面積が生み出されるとはいえ、もちろん立体駐車場の確保も必要だし、イオンにしては敷地面積の狭さから店舗を上に積むとしても3層が限界。そうすると、容積率の全てを活用するとは思えない。

平面駐車場5,000平米(200台分)+建築面積10,000平米×3層+屋上駐車場(300台)程度であれば、店舗面積は15,000平米程度確保というのが現実的か。ただこれでは駐車場が少なすぎるので、駐車場を確保するために4,5階部分も立駐にしてしまえば、+5~600台程度は確保できる。

 さらに、イオンモールではなく、イオンタウンであることを考えると、近隣だと塩釜や名取規模のものと考えていた方がというのも十分にあり得る。まぁ、イオンにしては珍しく一部借地部分はなく、基本は土地購入で事業を組み立ててきているので、ヤマザワのような単なる郊外型スーパーではないことを祈っています。理想は泉大沢のイオンタウン程度のテナント構成であれば許せるし、モール+ララガーデンと対抗するためには、それくらいのものでないと厳しいと思われます。

テナントは、スーパーとしてマックスバリューorザビックはまちがいないとして、大型専門店として、何が入るか?個人的にはあすと長町に不足している大型家電店と大型書店、飲食店街があれば文句は言いません。

南側の17街区1.2haの一部もイオンタウンが活用するとのことですが、イオンは北側をメインにして、17街区はおまけの平屋専門店+駐車場としての使い方しか思い浮ばない。億単位での投資となる歩行者デッキでつなげることはありえないでしょうし。

 また、住友不動産の持分0.3~4ha程度かなと。マンション開発であれば、容積率はフルに活用するでしょうし、1500平米程度の土地で100戸クラス1棟は可能。太白区のマンション需要と建築価格の高騰からすると、リスク分散の観点から1棟100戸規模で1棟目を建て、1棟目の販売にめどが立った段階で2棟目というところを予想。当該地は地区計画での高さ制限はありませんが、高さ60mの20階程度が事業としても限界(なお、あすと長町大通り線沿い20mの高さ45m制限にはかかりません)、。あまり建築コストの面からそれ以上のタワーにはしてこないと思います。駅直結物件だったらともかく、駅から徒歩5分程度なので。

 イオンはともかく、イケア直近というのは希少価値があるから、それなりにコンスタントには売れるでしょうね。三井不動産はこういう商業施設とセットでのマンション開発が得意ですが、住友がイオンと組むとはちょと意外でした。

 

 住友不動産も、街びらき前に、あすと長町の北端で2棟立て続けにマンションを販売しましたが、その後は長町一丁目駅前サニーランド跡地も高値掴みをした結果、現在でも事業化の様子見が続いており、あすと地区内でも土地の取得には踏み切っていませんでした。よって、地区内の土地取得としては約8年ぶり。

 あすと内では、最近は準大手のナイスがヨークベニマル向かい側に100戸規模のを建てることが判明しましたが、他には微妙な中小デベの物件だったり、大手デベが手掛ける地区内の物件は2008年完成のライオンズ以来となりそうです。転勤族が好む大手デベ物件の事業化は、あすと長町への居住人口増を図る上でも、好ましいニュースです。

 

 仙台市のスタンス

あすとを商業的に発展させたいのであれば、そもそもララガーデンが進出した市有地の定期借地権活用はタブーだったと今でも思います。あれで、長町南の優位が決定的になりました。モール+ララガーデンは、理想的かつ魅力的なSCだと思いますが、長町全体の街づくりの観点からすると、ビジョンがないように感じます。

あすと長町の目玉的な土地にイオン系の進出がきまり、市役所では歓迎のコメントを出していますが、前市長の梅時代だったら、どんなことがあってもつぶしただろうに。

ライバル多数

 イオンタウンの完成時期は不明ですが、順調に行ってもH26の後半かなと。

ヤマザワはH25年中の計画ですし、ヨークの太子堂店は来夏とのこと。モールも徒歩10分のところにあるし、近隣にスーパーがこれだけ乱立する形になります。現ヨークは撤退のうわさがあちこちで流れていますが、ヨークが撤退したとしてもあの建物は残るわけで、後釜も入るでしょう。これだけ競争が激しくなると、あすと内の人口増を図ってパイを広げていかないと、過当競争になりかねない。市立病院も移ってくるし、利便性に惹かれて住宅・マンション建設も順調に進んでほしいところです。

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