アクセス鉄道から1ヶ月
3月18日の空港アクセス線開業から早1ヶ月。開業時は、特に昼間は2両編成の電車にエアリ客が殺到し、超満員状態が宣伝されましたが、もう落ち着いてきたようです。
1ヶ月間の平均は、エアリ客を含めた客数予想の1万人/日 を多少上回る程度とのことで、開業当初は試乗客やエアリ体験客の分を含めてだから、今後が正念場ですね。
エアリ客については、仙台駅から往復800円。家族で行けば2000円程度かかってしまう。最初は渋滞、渋滞と宣伝されたんで「試乗を兼ねて電車で行ってみるか」という需要もあったのでしょうが、案外車の動線分散がうまくいったためか、「予想よりは渋滞していない」面もあります。そうすると、「今度は車で」となり、序々に電車利用は少なくなるのでは。
仙台方面から大型SCに行くというのであれば、もちろんモールの方が地下鉄があり、”安い、近い、本数が多い”。それ以上に、都心部の大型店や専門店との競合もあるので、エアリはあえて交通費をかけて頻繁に行くところではないでしょうし。
エアリはどちらかといえば、仙南方面から仙台都心方面に向かう客をせき止めるダム的な存在。車であれば、駐車場料金の面からかなりエアリが有利だけど、仙南からの電車利用客にとっては、そのまま終点の仙台駅まで行った方が安くて早い。その点から仙南から電車を乗り換えてまでエアリに行くという需要はあまり見込めないだろう。仙台方面からは乗り換え抵抗がないのは大きいですが。
まぁ、エアリ客も空港鉄道の経営面では大お得意さんですが、荷物の多い空港利用客が立ちっぱなしというような状況も、あまり良い状況ではない。今の落ち着いてきた状況位がちょうどいいのかも。そもそも混乱を招いているのが昼間の2両の電車。これを4両に増結することができればいいんだが、車両数に限界がある(JR分合わせて合計14両しか保有していない)ので難しいのだろう。GWの客が増える時期には増結も検討との運行側からのコメントも新聞にはあったが、どこから持ってくるのか?予備の車両を使ってということなのかもしれないが。
それであれば、将来的には終日4両編成でも。名取-仙台間のJR部分の利用客を考えると2両はやっぱり無謀。昼間は本線・常磐線の電車の本数が少ないので、アクセス線へ負担がかかってしまう。また、朝の6両編成は不要だろうね。
「朝ラッシュ時のダイヤに余裕がないから、空港線からの電車は時間2本のみ。朝は全て6両で」と、JRが効率の悪い運用を課している反面、朝ラッシュ時のど真ん中に、自分のところが山下からの常磐線電車を6両→4両編成に短縮して走らせているというのだから、本当におかしいなぁと。その他全般的に編成短縮で詰め込みに走っているようだし(いわきからの電車9両→6両 とか)、混乱招いてないのか?これだけでも、JRに対して空港鉄道会社の立場の弱さを感じる。
空港鉄道会社は経営が厳しいはずで、追加の車両購入は当分考えてないだろうけど、であれば、JR側が車両を準備すべき。空港線用は専用車両の位置づけのようだけど、今回同時に導入した新型車両と融通し合えれば。昼間は車両に余裕あるはずだし。
あとは、現在ガラガラの時間帯対策。要は朝ラッシュ、夕方以降の利用客を増やすためには、杜せきのした、美田園への住宅の張り付き次第なのですが、こればかりは少しずつの取り組みにならざるをえない。予想通り当初販売は好調のようで、仙台で住宅を購入する方々の意識が「バス便の泉・富谷>洗練されていないJR沿い」だったのが、流れは変わってきている気がします(アクセス線はJR直通乗入れなのでJR沿線とみなす)。
JRの欠点は、本数の少なさもありますが、電車も駅も洗練されておらず、沿線の街並みを含めて新住民をひきつける魅力が少なかったこと。それが新線開通で駅もピカピカ、新型車両導入、JR側も沿線の駅の新設・改築(名取、長町、太子堂)、駅前広場の整備(全駅)で、だいぶ改善されました。また、しょっちゅう雨風で遅れるというのもありましたが、少なくとも空港線は高架部分が長く、この1ヶ月で殆ど運休とかは発生していないようで、これも信頼性向上には重要な要素。空港利用客のことを考え、アクセス線は優先されているのでしょう。
空港客やエアリ客は月1の利用客の積み重ねですが、居住者は月20日程度は使ってくれるでしょうし、それにこの先10年単位での利用が見込める。
人口の伸びが激減している中、仙台圏の他の住宅地との競争は激しいですが、ここは失敗にはならないでしょう。
安定した運行のためには、今後絶え間ない乗客獲得への努力と、JRの協力が求められます。少なくとも電車のダイヤは分かりやすいようにするべきではないかと。
片やバスは
2社のバスとも、うちの近所を通るのでしょっちゅうみかけます。はっきり言って厳しい状況で、乗車状況は4割が1人のみ。3割は無人。残り3割が2~5人という感じ。これでは東部道路の高速代もペイできませんし、もちろんその他にガス代、人件費、車両費もありますからねー。空港行きのバスはこの状況を予測していましたが、空港からのバスも同じような状況。もうちょっとは乗るかと思ったが、あまりにも。。。
両社とも、これまでは堅実は経営をしてきたようですが、このリムジンバスが重荷にならないことを祈ります。どこまで頑張れるか。他の路線へとばっちりということになれば。特に東日本急行は県北や一関方面の住民の足になっているので。愛子観光も錦が丘への足としての役割を果たしていますし。
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