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2006年5月 7日 (日)

わくわくeco切符の旅


 GW限定で毎年売り出しているこの切符。県内の地下鉄・バス(宮交・市営)が1000円で一日乗り放題という破格ぶり。GW中で一日暇があったので、ちょっと小旅行を楽しもうと初めて使ってみました。


まずは秋保を往復して温泉に入り、あとは古川方面に北上しましたが、高速バスは使用NGとのことで、ひたすら4号を北上する路線バスに。ただ、これは休日は1日3本しかないとのことで、事前に時刻表を調べてたので使えたけど、ちょっと厳しい。それにこれだけJRバスの高速バスと、宮交の特急バスが頻繁に走っているのに、仙台駅前からちんたら2時間近くかけて古川まで使う人はいないでしょうに。案の定、古川まで使った人はすべてこの切符、運転手さんも不満顔。といっても、普段は無人で走っているのだから、それに比べたら良いでしょうに。ゆっくり読書でもしようと思ったが、あのガタガタ路線バスで読書するのは無理で、昼寝しようにも、突き上げられるような衝撃でまともに寝てもいられず。


リオーネ古川


さて、古川について、駅周辺を散策するも、案の定シャッター通りで車の交通量はあっても人はほとんど歩いておらず。でも古川では中心市街地活性化の取り組みを行っているというのは聞いていたので、最近オープンした「リオーネ古川」に足を運んでみました。県内ニュースでは比較的好意的な報道がなされていたので、どんなものかと。


 入ってみての感想。。。核となるシネコンの他には本屋やCDショップとか。本屋はそれなりに人が集まっていたけど、その他の店はちょっと。。。


建物は新しいが、テナント募集の張り紙ばかり。今回のは暫定オープンで6月にグランドオープンするというのは聞いていたけど、現段階ではかなり厳しい印象が。


この「建物ばかりは立派だけど、空き店舗ばっか」という光景。どこかで見たことあるなぁと思っていたら、思い出しました。長町たいはっくるの2階店舗部分に雰囲気がそっくり。吹き抜けとか広場とがハードは整備されているけど、集客力のあるテナントミックスがなされておらず、適当な寄せ集めで核店舗が弱いところも。まぁ、リオーネは県北唯一のシネコンという強みはあり、また市街地型SCの欠点でもある駐車場も、1時間までは無料、シネコン利用は3時間無料であり、数も豊富に準備されており、やりようによっては成功するのではないかと思うのですが。やはり、核がシネコンだけでは、「見たい映画がなければ行かない」となりかねない。駅を挟んだ近隣に巨大イオンのSCがあるのに、それと対抗することは無理としても核として小型の食品スーパーやカフェ、飲食店など、商店街を補完しながら、集客力のあるテナントを入れないと厳しいと感じた。あとで河北の記事を見たら、6月にはスーパーも入るようで。この段階で評価を与えるのは酷ですが、取り組みは非常に意欲的なので、見守っていきます。



古川からどこに?


 古川駅に戻り、さて次にどこに行こうかと考える。宮交のHPには仙台近郊の時刻表しか掲載されていないので、古川からは行って確認するしかない状態だった訳ですが、案の定ものすごいダイヤ。1日5本とかが当たり前で、ちょっと迷うものの、鳴子温泉行きに乗り岩出山に行くこととする。そしたら、さっき古川で一緒に降りた熟年夫婦が同じバスに。たまたま同じ停留所で降りることになり、なんとなくバツが悪い。ちょっと観光して、その後中新田まで。中新田へは古川駅前で調べたバスに乗り継げると思ったが、なぜか途中のバス停には表示がない!しかたなく歩いていたら、中新田の手前でそのバスに追い越され。。。本当に宮交やる気なし!



 バッハホールには初めて行ってみたものの、先日の大崎市長選で落選した本間元知事(町長)の落日を見る思い。当時としては先進的なものだっただろうが、今となっては公民館代わりなのか?ハードを整備しても結局その中身を埋めるものがなければ、宝の持ち腐れ。アクセスの悪さも致命的なのでしょうが。昔はこのアクセスでも仙台はもちろん東京からも人が集まったという施設の面影はありませんでした。バッハホール前のバス停も路線が廃止されたようで、バス停跡だけがさびしく残っていました。


商店街も石畳舗装でキレイに整備されていましたが、いかんせん人がいない。店を覗くものの、購買意欲が駆り立てられるようなものは皆無で、よく店が続いているなーとある意味関心。でも地方の町の商店街としては規模が大きく。昔は加美郡の中心としてにぎわっていたのだろうなということは感じました。ここも、商店街近くに西友、ちょっと離れてイオンやヨークベニマルがあり、そうすると商店街の位置づけは低下するのは必然なのでしょう。


感じたこと


 その後、中新田から仙台駅前直通のバスに乗って1時間半かけて帰ってきました。中新田から色麻までは他に1人乗っていたものの、


色麻から吉岡までは自分以外にはゼロ。吉岡で2人乗り、富谷の4号バイパス沿いから数人乗るものの、八乙女駅でまた自分以外ゼロになり、そのまま仙台駅前へ。駅前のクリスロードの賑わいを見て、中新田や古川の商店街との落差に改めて考えさせられるものがありました。また、路線バスについても、昨年12月の宮交からの路線廃止通告がありましたが、もはや都市部以外では路線バスの意義というのがかなり低下しているのを感じました。まぁ、使ったのはGW中の休日ですから、平日は高校生やお年寄りの通院利用など全く違う面があるのだろうと思いますが、少なくとも休日に古川のような地方都市(といってもまだ恵まれているところでさえ)にバスで買い物に行くというのはほぼなくなっているのだろうと。商店街の疲弊・自家用車の普及とバスの減便。また中新田のような周辺の町にも小規模な郊外型SCが出来、「わざわざバスで古川(石巻・気仙沼も)に出かける」というのは死語になっているのだろうと。



 今も、河北で宮交路線バス廃止関連の特集記事をやっていますが、宮交自身名古屋の名鉄系の子会社ということで、宮城県の地域交通を守るという使命感は上層部には皆無なのでしょう。とはいえ、運転手などは必死にがんばっているでしょうが、乗客も少ないバスを毎日走らせ続けていることで、空しさを感じることがあるでしょうし。少なくともあの状態では。


宮交も高速バスへのシフトをさらに掲げ、例えば今回乗った中新田⇔仙台 線は、高速道路経由で途中停留所での乗降をなくし、スピードアップする方向で検討されているようです。蔵王・村田線や、登米線などについても、かつては最寄のJR駅までバスで結んでいたものが、


仙台の都心まで直接短時間で結ぶという方向性が明確になってきています。宮城県内でも高速道路の発達により、高速バスに適した路線が増えています。そうすれば、マイカーで行くよりも安い!と高速バス利用者も増えるでしょうし。


 ただ、その反面、路線バス経由での乗客が減ってしまうJRのローカル線などはさらなる乗客減に悩みワンマン化や減便という構図になってきています。典型的なところでは東北本線の小牛田⇔一関間などは、栗原郡・登米郡方面からの仙台直通高速バスの発達で、バス乗り継ぎ利用が激減し、ワンマン化と乗り継ぎの改悪などJRも完全に競争を放棄しているようです。



JR:在来線→新幹線
バス:路線バス→高速バス 

 と、地域に身近な短距離交通機関が採算がとれず減便が進み、中・遠距離交通機関へのシフトが進んでいます。



 交通弱者のための交通機関を宮交のような営利企業に任せるのではなく、太白区坪沼・石巻市稲井のような地域で支える乗り合いタクシーという方法をとるところも出てきており、地域の公共交通のあり方について住民が考えるという好ましい方向になってきたと感じます。


また、市民バス形式をとるところも増えています。岩沼などは結構がんばっているように感じますが、やはり地域が支えなくてはならなくなっているのでしょう。「自分は車しかつかわねーから、バスなんか関係ねー」ではなく。



■関連日記
[交通]宮交の地方路線廃止(2/1)

  


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