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2005年7月31日 (日)

郊外大型店規制へ



 先週、日経にこんな記事がありました。


先日、関連する本を読んだばっかりなんで、タイムリーだなと。



商業施設や病院の郊外立地を規制・国交省など検討


 国土交通省と経済産業省は地方圏の中心市街地の荒廃に歯止めをかけるため、


大型商業施設や病院など公的施設の郊外立地を規制する検討に入った。


人口減少や急速な高齢化をにらみ、中心部への都市機能集積を促す。


与党も規制強化に前向きで、来年の通常国会で都市計画法、


中心市街地活性化法を改正する方針。流通大手の事業展開や、地価の動向にも影響を与えそうだ(7/25日経)。



 大店立地法施行から5年を経過し、人口10万人以下の都市の中心商店街はどこも壊滅的状態になっていいますが、この状況を踏まえて、大店立地法などの見直しで、中心市街地の強化と郊外への集客施設の立地規制に踏み込む姿勢をみせました。といっても、今更の感あり。もう廃業してしまった商店群は復活不可能だし、既に郊外に出てしまった公共施設や、超大型SCなどを規制したり、中心部へ再移転するのは無理だし。となると、SCについては、既に出たもの勝ちのような様相を見せてきます。その一番の利害関係者であるイオンはもうある程度の場所には立地してしまっているので、ライバルが出店不可能になれば、既存店の競争力を保つことになり、形だけの反対をしているように思えます。内心、「ウハウハ」してるかもね。



 また、本来であれば、郊外化を押さえる立場の自治体自らが、公立病院の移転ではそろって郊外へ移転させていて、それが小都市の中心市街地にとっては駄目押し的なダメージを与えているケースも多いです。


 県内では、白石、築館、大河原などがあります。古川も大崎市になった後に移転を考えているようですが、三本木の県用地(旧福祉施設群用地)の活用が出ているなど、”あっぺとっぺ”の対応をしています。広大な大崎市の基幹病院を考えているのであれば、古川の中心部か、駅東側あたりに建てるのが住民にとっても便利なはず。


高齢者にとっても、家族に送ってもらうか、数少ない病院行きのバスで行くよりも、街ナカの方がまだ行きやすい。


 地方小都市では、行政職員自身も車で通勤し、買物に行くことが当たり前になっているので、中心市街地の駐車場も狭い病院よりは、郊外のスーパー近くの広大な駐車場をもった病院の方が便利だし、入院患者がいる病院は現位置建替えができないので、新たな用地を取得する場合、郊外の農地を潰した方が事業費も抑えられるという考え方を持っているのが原因でしょう。中心市街地活性化を担当する職員はごく一部で、自治体組織全体では、「中心市街地なんてどうでもいい」という意識が大部分を占めていると推測します。



 もう中心市街地の再興には遅すぎるかもしれませんが、とはいえ、世の中のトレンドが中心市街地回帰のコンパクトシティに向くのであれば、中規模以上の都市の都心部にとっては、まだ復活するチャンスが。最近の地価の下落で中心部へのマンション立地が進んでいるし、高齢社会を迎えて人口の都心回帰が進んでいる地域もあります。


仙台はもちろん、盛岡や青森市、福島市、秋田市などでも、マンションの立地が進んでいるようです。特に、青森や盛岡などの雪国では、雪下ろしや雪かきをしなくてもいいというメリットが評価されているとか。青森市は、これ以上郊外に町が広がったら、除雪しきれないと、郊外への市街地拡大を規制していますが、こういう考え方が真っ当だと思う。結局「郊外の安い土地に家を建てて、車で便利な生活というのは、短期的にはメリットを感じますが、自分が歳とったときに苦しむのと、行政需要の増加で、最終的には住民につけが回ってきます。


最近のガソリン価格の高騰を見ていても、最安値の10年近く前から比べると1.5倍を超えています。そうすると、車を持つことのデメリットも大きくなってくるのでしょう。


自分も、さすがに最近車の使用を多少抑えるようになりました。使わないわけにはいきませんが。



 この法改正が、骨抜きにならずに、街づくり面から中心市街地の再興に寄与するようなものになることを望みます。


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