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2005年2月14日 (月)

本塩釜駅裏再開発




10年もの間、野ざらしになっていた宮城県塩釜市中心部の広大な市有地が、活用に向けて動きだす。市が募集した旧国鉄貨物ヤード跡地(約1万2300平方メートル)の商業ゾーン開発に4社が名乗りを上げ、3月中にも事業者が決まる。2007年度のオープンを目指し、「海辺のにぎわい地区」の実現に向けた一歩を踏み出す(2/13河北)。



 松島遊覧船観光の玄関口である本塩釜周辺の再開発がようやく動き出すようです。


一帯は、仙石線本塩釜駅前から遊覧船が発着するマリンゲート塩釜へ向かう沿道ですが、


一角にホームセンターがある他は荒れ果てた土地でした。


全国の貨物駅跡地と同様で、塩釜市が買い取ったものの、使い道が決まらずに長年放置されていました。商業施設を中心にとのことですが、少なくとも公園のようにきれいになるだけでも十分だと、個人的には思う。


 昔は塩釜市内だけでなく、利府や多賀城からも客を呼び寄せていたらしい本塩釜駅周辺ですが、今は見る影もありません。20年以上前に仙石線が高架になり、駅前はすっきりしているものの、ジャスコ塩釜店は看板も色が落ち、大規模SCに執念を燃やす同じイオングループとは思えない昔ながらのGMSで、食料品売り場は比較的健闘しているものの、上階は・・・の状態で、いつまで続くかは分かりません(利府店と多賀城店との自社競合状態で、古くて狭い塩釜店をつぶすための布石を打っていると感じてました)


 塩釜神社に向かうかつてのメインストリートは店舗の閉店が相次ぎ、さらに道路工事中で荒れ果てた空間が続いています。塩釜神社にきた観光客はびっくりするでしょう。


今回再整備の対象になっている旧国鉄の土地も、本塩釜からマリンゲートへの動線沿いにもかかわらず荒れ果てた空間で、観光気分を盛り上げるには程遠い場所。



 塩釜は最近”寿司の街”として売り出していますが、寿司の質は高くとも、寿司を食べに行くという気分を盛り上げる舞台装置は貧弱。



 寿司といえば、全国的には小樽が有名です。塩釜と同じように坂が多く、急激な人口減に苦しんでいる街ですが、「港町」としての情緒を売りに運河や倉庫群を活用し、多くの観光客を呼んでいます(マイカル小樽は大失敗でしたが)。
 観光にあたって、『食』は大きな誘客要素で、塩釜はそれを持っているわけですから、これを活用しない手はない。


 塩釜港自体、マリンゲートの対岸には無骨なクレーンが並ぶ造船所があるなど、景観面での配慮が足りず、全国的に有名な港町で、松島観光の玄関口なのに、この資源を生かしていないのはもったいなく感じます。


 


 塩釜市は水産業の衰退と人口の高齢化で、財政面でもかなり厳しい状態に陥っていると聞きます。東北一の人口密度を誇る自治体で、これ以上新規の開発はほぼ不可能で、近隣の利府などに造成されたニュータウンへの人口移動が続き、長年6万人台を保っていた人口も近年6万人割れしました。無秩序に高密度な街が斜面に広がり、バスも減便されている今、高齢者にも優しいまちとはいえないです。



 このような状況ですが、依然として高密度にまとまっている都市であることには変わりはなく、市内に東北本線と仙石線の2路線が走っているなど、交通の便には恵まれている街で、ポテンシャルは持っているはずです。


 昨年末、しおナビという市内循環100円バスが試験運行を開始したというニュースを見ました。


 塩釜市内の4つの駅と丘陵部の住宅地を一周1時間で結ぶバスで、頻度も両周りそれぞれ概ね1時間に1本。7時台から20時台まで運行され、通勤通学にも便利に使えるバスのようです。地方都市のコミュニティバスとしては十分合格点のレベルで、車を持たない高齢者が、駅付近の商店やスーパー、公共施設を活用できるいい取り組みだと思います。


 このように、既存の住宅地の利便性を確保しつつ、今回のように中心部の再開発を行うことは、市民の利便性の向上と、観光客誘致の両面で効果を発揮する取り組みになると思います。


 



(上記記事の続き)


再開発が本格的に動きだしたのは昨年。3月に周辺計7.4ヘクタールの土地区画整理事業が県から認可され、大学教授や経済人らでつくるグランドデザイン策定委員会が土地利用の素案を策定。市は商業ゾーンの早急な整備を図ろうと、11月から事業者を募っていた。


 申し込みがあった6社のうち1次選考を通過したのは、不動産デベロッパーの大和工商リース(大阪市)、ジャスコなどを展開するイオン(千葉市)、地元企業などによる協同組合「マルチ・プラザ・ワーフ塩釜」、戸田建設(東京都)。


 それぞれ大型ショッピングセンターやテント村の開設など、4000万―16億円の初期投資を提案しており、市は3月上旬にも公開プレゼンテーションを開催する。年度内には事業者を正式に決定し、新年度から事業化に着手してもらう。



 


 大和とイオンは、近隣にグループ店舗を構えている企業。


大和はグループ会社のロイヤルホームセンターが隣接地に、イオンは上述のとおり本塩釜駅前に店舗を構えています。大和は、グループとしての相乗効果を狙っているのでしょう。


イオンは、駐車場が不便な現塩釜店の移転を考えているとしたら、つじつまが合います(現店舗を残すことはないでしょうし。塩釜の人口密度の高さから、イオンとしても商圏としては魅力を捨てきれないところがあるのでしょうか)。


 ただ、初期投資金額を見ると、せいぜい平屋の小規模SCレベルです。もしイオンであれば、現塩釜店閉店⇒平面駐車場を確保し、マックスバリューとして移転オープンってところでしょうか。悪名高いイオンといっても、こういう市街地活性化への協力であれば、自分的にもそれほど拒絶反応はないです。


 本塩釜付近は道路整備の遅れと、45号の分かりにくさから慢性的な渋滞があり、巨大SCはしょせん無理な場所。土地も狭いし、観光客の受け入れと市民の利便性向上を考え、この程度の小規模な再開発が適しているのではないかと感じます。


 また、よく中心市街地活性化が叫ばれますが、まずは足元の居住人口を増やすことが先決。その意味で、地権者によるマンション建設も予定されているようで、地道な取り組みとして評価できます。


 


 本塩釜駅付近の既存店舗と、マリンゲートとを橋渡しする立地であり、うまく連携してほしいものです。


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