鉄道の内陸移設(1)
震災以来、宮城県内を中心とした沿岸部のJR在来線のうち、津波被害にあった気仙沼線の柳津以北、石巻線の渡波以東、仙石線の陸前小野―高城町間、常磐線の亘理―相馬間のが相変わらず再開できずにいます。
相思相愛(?)の気仙沼線
気仙沼線は、JRが持ち出してきたBRT(バス高速輸送システム?)による仮復旧を気仙沼市も承諾することになり、待ってましたとJRは線路を引きはがしにかかりました。
ここはJRが鉄道で復旧させるわけがない。JR的にはうまく鉄道から撤退できる方便を認めてもらったようなもの。気仙沼市のホンネは、東北新幹線乗り換えでの大船渡線ルートが生きているため、対東京の交通機関は影響ないし、対仙台でも震災前から片道たった2往復しかないし、往復5千円もかかる快速南三陸よりも、安くて本数の多い高速バスに流れていた状況だったし、三陸道の全通が確約された今、どうせ復旧してもやる気のないJRに期待するよりも、三陸道経由の高速バスで仙台まで2時間半であれば無理に鉄道復旧に血眼上げる必要はないだろうな。
もちろん市民に対する建前としては、「鉄道での復旧を確約させた」と言ってますが、気仙沼市長の震災当初のホンネからすると、したたかに進めていると感じます。
もっとも、鉄道が復旧せずに快速南三陸がなくなる影響が大きいのは途中駅であって、同じ気仙沼市内でも階上や本吉、南三陸町の歌津・志津川など。
ただ、途中駅を抱える自治体でも三陸道の延長と高速バスの利便性アップの恩恵には預かれるためか、南三陸町や登米市はBRT化の仮復旧に比較的早くから賛成していました。BRTは実際には使えない代物になるのは前に書いた通りで、気になるのは、鉄道で復旧済の柳津―前谷地間の扱い。JR的には一緒に廃線→バス化を図りたいだろうが、区間が中途半端。個人的には、志津川まで鉄道を復旧させて、あとはBRT化というのが、コスト的にも生き残った部分を生かす意味でもいいかなと思う。
仮に、今まで全く話は出ていませんが、第三セクターでの受け入れ→三陸鉄道と同様に国費で復旧というウルトラCにした場合でも、三セクであれば気仙沼線部分の運賃が1.5倍になり、対仙台での高速バスに対する競争力が全くなく、早々に経営困難に陥いることが予想されるので、誰もこういう声を上げないんだろうね。国は初期投資には補助してくれてもランニングコストまでは面倒見てくれない。
せっかく100年の悲願が叶い、30年前に全通した気仙沼線。自分も一時期沿線に住んだことがあり、このまま廃止というのは悲しい気分ですが、止むを得ないのだろうなぁ。

